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関西近世考古学研究会 第29回大会

「17世紀における甕・擂鉢の流通」

 

 

 近世初頭には、豊臣氏の天下統一、1600年の関ヶ原の戦い、そして豊臣家の滅亡をもたらした1615年の大坂夏ノ陣など、歴史の転換点として極めて重要な意味をもつ出来事が続きました。そうした歴史の流れの中で、17世紀を通じて日本各地で新たな都市が発展(あるいは変容)し、また物質文化の様相も変化していきます。

 物質文化のなかでもっとも劇的な変化は肥前磁器のシェア拡大と中国産磁器の衰退でしょうが、その陰で各都市において国産陶器の比率が変化していくことは、発掘調査に携わる職員・機関にとって共通の認識だと思われます。ただ、産地組成が具体的にどのように変化していくのか、またその背景に関する考察は、いまだ十分ではないと考えます。

 そのため今回の大会では、型式学的属性により産地の判別がしやすく、産地組成の変化を把握しやすいと考えられる国産の甕・擂鉢を対象とし、各都市において17世紀代を通じてどのような産地組成の変化が認められるのかを論じます。これにより、陶器流通のあり方について基礎的な研究を蓄積し、ひいては近世における流通経済の様相に考古学的視点からアプローチすることを本大会の目的とします。

 

開催日 : 2017年12月9日(土)・10日(日)

開催地 : 大手前大学さくら夙川キャンパス A21教室(本館A棟2階)
      〒662-8552 西宮市御茶屋所町6-42

アクセス:阪急夙川駅南へ徒歩10分

      JRさくら夙川駅西へ徒歩10分

      阪神香枦園駅北へ徒歩10分

懇親会について:  第一日目の夕刻から、会場周辺で、忘年会を兼ねた会費制の懇親会を設けたいと思います。懇親会に参加希望の方は、お店の手配の関係上、事前に事務局・嶋谷(shimatani-air★k7.dion.ne.jp / ★を@に変えてください。)まで御連絡下さい(詳細は追って申込者に別途御連絡致します)。

 

<大会プログラム>

第一日目 12月9日(土)

13:00  受付開始

13:30 開会挨拶  松尾信裕

13:35 共催挨拶  森下章司 氏

13:40 事務連絡  事務局

13:45 講演 森 毅 氏 「大坂の資料からみた近世初頭の陶磁器組成とその変化」

15:00 (休憩)

15:15 報告1 小田木富慈美 氏

       「大阪市内出土の陶器・土器類-17世紀の甕・擂鉢・壺を中心に-」

15:55 講演2 佐伯純也 氏 「山陰地方における17世紀の甕と擂鉢の様相」

16:35 事務連絡  事務局

16:40 (散会)

18:00 (懇親会)

 

第二日目 12月10日(日)

9:30 受付開始

9:55 事務連絡  事務局

10:00 報告3 山本雅和 氏 「17世紀の京都のやきもの」

10:40 報告4 乗岡 実 氏 「岡山近隣における17世紀の甕・擂鉢・徳利」

11:20 (休憩)

11:30 報告5 大北和美 氏 「徳島城下町跡出土の甕と擂鉢-17世紀代を中心に-」

12:10 (昼食・休憩)

13:10 報告6 庄田知充 氏

       「金沢城下町遺跡における甕・擂鉢の様相-17世紀代を中心として-」

13:50 討論(司会 嶋谷和彦・赤松和佳)

15:30 閉会挨拶  松尾信裕

15:45  事務連絡  事務局

15:50 (散会)

<紙上報告>

・武部真木 氏 「名古屋城三の丸遺跡の陶磁器の様相-17世紀の擂鉢と甕-」

・渡邉晴香 氏 「佐野町場を中心とした17世紀の甕・擂鉢の様相」

案内PDF(約400KB)